2017年11月23日木曜日

漠然とした不安

 
こんにちは。
まだ11月だというのに、冷たい雨が降って1月並みの寒さだそうです。
こんなお天気だと、気分が上がらないですね。
 
今日は、はたから見れば何が不満?というようにみえる不安についてのお話です。
 
人生も60年あまり過ぎてくると、
若い時とは違った思いに駆られるようになることがあります。
 
それまでは結婚して子どもを設け、子育てに必死だったり、
仕事に打ち込んであっという間に時が経ったりした方も、
子どもが成人して独立したり、仕事も定年になることで、大きく一段落します。
 
それは本当に嬉しいことであり、安心出来ることなのですが、
一方で役目を終えた寂しさや世の中から必要とされていないような疎外感に
さいなまれる方も多いのが現実です。
 
さあ、これからは自分の時間よとばかり、趣味の時間を増やしたり、
健康保持のためにいろいろ始めたりしても、
なぜか心が満たされず、
理由のない不安な気持ちに襲われたりします。
 
生活に困らないばかりか、ある程度の余裕のある暮らしをしているし、
子供達もそれぞれ幸せに暮らしているし、
どこといって悪い病気や辛い身体症状があるわけでもないのに、
なぜか、急に胸が苦しくなったり、どこにも出掛けたくなかったり、
食事の仕度や家事が面倒で何もやる気がしないなど・・・。
 
自分でもわけが分からないけど、
どうしようもない状態です。
 
夫や子どもに話しても分かってもらえないだろうことが分かる、
そんなやり場のない不安を抱えがちなのが60代や70代と言えるかも知れません。
 
発達心理の見地からいうと、この年代は人生の達成感を味わいたい時期で、
今まで培ってきたものや経験してきたものを、
次の世代にバトンとして渡せることに歓びと意義を見出す年代と言えます。
 
バトンは自分の子どもや会社の後輩、全く他人の次世代の若者など、
だれに引き継いでもいいのです。
 
それがお金に換算されることには重きを置かず、
自分の生きてきたことが活かされることそのものに意味があるのです。
 
よく、定年後は生きがいをもちなさいとか、
子育て後の空の巣症候群にならないように趣味をもちなさいとかいわれますが、
何をしても不安な気持ちがぬぐえない時や、
意味や生きがいを感じられないときは、
ご自分の人生を振り返り、慈しみ、自信を持って、
何をしたら充足感をもつことができるのか考えていただけたらと思います。
 
自分に何が出来るのか、
もう若くはない、若い時のように動けないなどと、ないことばかりに注目せず、
今、あるものや出来ること、若い時期にはなかったものやできることに気づいて、
活かせる道がみつかるといいですね。
 
カウンセリングルームでは、そんな四方山話のようなお話の中から、
徐々にご自分を見出していかれる方もいらっしゃいます。
 
あいまいもことした不安、
それを吐き出しに、どうぞいらしてください。


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