2016年9月4日日曜日

空椅子に向かって、幼い自分に会いに行く

 
通常のセッションでは認知行動療法を用いて、カウンセリングを行うことが多いけど、、
クライエントさんの状態によっては、『空椅子の技法』という心理療法を使うことが、
時々ある。
 
『空椅子の技法』とは、
自分がまだ未完のまま整理できていない感情や、
子どもの頃のモヤモヤした思いや寂しさ、
言いたいことを言えずにきてしまった相手、
自分の中の対立する考え、体の痛みなどを、
目の前の空の椅子に座らせて話かけることで、
思い切り感情を表に出したり、相対する気持ちや考えを比べたりする技法である。
 
その結果、何かに気づくことも多いのだが・・・。
 
ここのところ、幼少期の自分に会いに行くために『空椅子の技法』を使うことが多く、
どのクライエントさんも上手に時空を遡り、
小さい頃の自分に会うことができている。
 
初めて『空椅子の技法』のことを説明すると、
誰しも懐疑的な表情を浮かべ、
「そんな恥ずかしいことできるかしら」
「人前で泣いたり、いない人に向かって話したり、大丈夫かしら」
みたいな心配を口にする。
 
「駄目なら駄目で気にしないで」と言って、試しにやってみることにすると・・・。
 
意外や、上手に幼い頃に遡ることが出来、
まずは涙が溢れてくる。
 
言葉が上手にでてくる必要なんてない。
演じているような気分がしてしまっては、本当の自分じゃない。
 
その押しとどめようもない涙を流すことこそが大切なのだ。
 
いろいろ我慢するのは体に毒よ。
 
溜めて溜めてストレスでがんじがらめになってしまわないよう、
カウンセリングには『空椅子の技法』なんていう方法もあるのだと、
どこか心の端に留めておいていただけると嬉しいです。