通常のセッションでは認知行動療法を用いて、カウンセリングを行うことが多いけど、、
クライエントさんの状態によっては、『空椅子の技法』という心理療法を使うことが、
時々ある。
『空椅子の技法』とは、
自分がまだ未完のまま整理できていない感情や、
子どもの頃のモヤモヤした思いや寂しさ、
言いたいことを言えずにきてしまった相手、
自分の中の対立する考え、体の痛みなどを、
目の前の空の椅子に座らせて話かけることで、
思い切り感情を表に出したり、相対する気持ちや考えを比べたりする技法である。
その結果、何かに気づくことも多いのだが・・・。
ここのところ、幼少期の自分に会いに行くために『空椅子の技法』を使うことが多く、
どのクライエントさんも上手に時空を遡り、
小さい頃の自分に会うことができている。
初めて『空椅子の技法』のことを説明すると、
誰しも懐疑的な表情を浮かべ、
「そんな恥ずかしいことできるかしら」
「人前で泣いたり、いない人に向かって話したり、大丈夫かしら」
みたいな心配を口にする。
「駄目なら駄目で気にしないで」と言って、試しにやってみることにすると・・・。
意外や、上手に幼い頃に遡ることが出来、
まずは涙が溢れてくる。
言葉が上手にでてくる必要なんてない。
演じているような気分がしてしまっては、本当の自分じゃない。
その押しとどめようもない涙を流すことこそが大切なのだ。
いろいろ我慢するのは体に毒よ。
溜めて溜めてストレスでがんじがらめになってしまわないよう、
カウンセリングには『空椅子の技法』なんていう方法もあるのだと、
どこか心の端に留めておいていただけると嬉しいです。
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